ご挨拶ご挨拶

第30回 日本臨床微生物学会総会・学術集会の開催にあたって

総会長:  舘田一博 (東邦大学) 
副総会長: 西山宏幸 (日本大学)

このたび、第30回日本臨床微生物学会総会・学術集会を2019年 2月1日〜3日に東京(ヒルトン東京お台場,グランドニッコー東京 台場)で開催させていただくことになりました。
第30回の節目の総会を担当させていただけますこと、会員の皆様に厚くお礼申し上げます。
今回のメインテーマは「求められる責任とプライド −日本臨床微生物学会30年の歩みの中で−」としています。30年前の学会設立当時を知っている方が少なくなっている中で、もう一度あの時の思いを振り返り次の30年のさらなる発展に繋げたい、というのが我々の思いです。

30周年記念大会ということで、いくつかの特別企画を開催する予定です。
初日の2月1日には「30周年特別企画 “日本臨床微生物学会 30年の思い、30年への期待」を開催いたします。この記念式典では、

  • 第1部:日本臨床微生物学会は何を変えたか:あの時の思いをもう一度
  • 第2部:これからの日本臨床微生物学会:学際的連携と標準化

を開催したいと思います。

第1部では、学会創設に関わった方々から思い出、苦労話を始め、若い方々へのメッセージをいただければと考えております。

また第2部では、矢富 裕先生(日本臨床検査医学会 理事長)、康 東天先生(日本臨床検査自動化学会 理事長)、高木 康先生(日本臨床検査標準協議会 会長)をお招きして、微生物検査を含めて検査関連の学際的連携の今後の方向性に関してご意見をいただければと考えています。

特別講演としては、米国インディアナ大学のKaren Bush先生をお招きして、「β-lactamase: Past, Present and Future(仮題)」としてご講演をいただく予定です。 ご存知のようにBush先生はβ-ラクタマーゼの世界的権威で、その構造・活性相関から命名法まで、本酵素に関して現在も精力的に活動を行っています。
また、大阪大学の飯田哲也先生には「次世代シークエンサーの臨床微生物検査への応用(仮題)」としてご講演をいただけることになりました。 これからの新しい臨床検査の考え方と方向性に関して、基礎と臨床の両視点からお話を伺えるのではないかと楽しみにしています。

基調講演としては(いずれも仮題)、

  1. プライマリケア医が求める微生物検査(林 純 先生:日本病院総合診療医学会)
  2. 地域感染症サーベイランスから見えてくる真実(朝野 和典 先生:大阪大学)
  3. 寄生虫感染症の疫学と検査(狩野 繁之 先生:国立国際医療研究センター)
  4. 最新耐性菌情報 −今、世界で何が起きているのか−(荒川 宜親 先生:名古屋大学)
  5. 真菌感染症の発症病態:感染・炎症・アレルギーの視点から(川上 和義 先生:東北大学)
  6. HIV感染症患者における日和見感染症と微生物検査の注意点(岡 慎一 先生:国立国際医療研究センター)

にお願いしております。
それぞれのご専門の立場から微生物検査を行う上での注意点、臨床微生物学的な研究の面白さ・ピットフォールなどについてお話しいただけるものと期待しております。

一般演題を対象に、「地域対抗一般演題賞争奪戦」を開催する予定です。
北海道、東北、関東甲信、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄の8地域に分かれて一般演題の発表数、内容を競い合います。 それぞれの地域の会員数で補正することにより、地域ごとの臨床微生物学的アクティビティーが評価できるのではないかと考えております。地域ごとにリーダーおよびワーキンググループを選抜していただいておりますので、是非、地域の連携と活性化のためにもできるだけ多くの一般演題の登録をお願いいたします。なお、優秀地域に関しては、会員懇親会の席で表彰をさせていただくととともに、副賞として豪華賞品を贈呈させていただきます。

30周年記念ということで何か記念になるものを残せればとコアメンバーで討議し、「臨床微生物学アトラス 臨床微生物学の軌跡/奇跡 ―真実を見逃さない目・経験―」をCD版として配布させていただくことを考えております。 代表的なグラム染色像をはじめとして、稀な感染症・染色所見、検体像などをアトラスとしてまとめる予定です。
コアメンバーの保有するお宝画像に加えて、会員の皆様からも画像を提供いただき、学会員のための永久保存版アトラスとして活用いただければと考えています。
提供いただいた画像には学会ロゴマークと提供者のお名前を入れさせていただきます。

最初に申し上げましたように、今回のメインテーマは「求められる責任とプライド」です。
30年間の本学会の歴史を通して、我々に求められる責任は確実に大きくなってきました。
しかし一方で、我々に求められる、我々が求めるプライドは決して満足のいくレベルには達していないように感じています。
主治医がベッドサイドで多くのヒントに気づくように、微生物検査技師は検体と顕微鏡所見を通して真実をみつけるチャンスを持っています。
臨床微生物学を極めたもののみが知ることができる真実、そしてそれをどのように臨床にフィードバックしていけるか。 これが私たちの責任でありプライドであるように思います。

第30回日本臨床微生物学会総会に多くの方がお集まりいただき、これまで、そしてこれからの30年を考える総会・学術集会になることを期待しています。